Q&A 喫煙がこどもに及ぼす影響
タバコの副流煙による受動喫煙
タバコの煙には本人が吸い込む主流煙と吸っていない時にタバコの火から立ち上がる副流煙があります。タバコの煙には、約4,000種類の科学物質と200種類以上の有害物質が含まれています。それらの物質は、主流煙よりも副流煙の方が高濃度に含まれています。また主流煙が酸性なのに対して、副流煙はアルカリ性で主流煙よりも刺激の強いものです。
受動喫煙によるこどもの身体への影響
副流煙を吸うことにより、眼のかゆみ・痛み・涙・まばたき・鼻づまり・くしゃみ・鼻水等の症状が現れます。気管への刺激によって、咳が出たり、気管支喘息の方は発作が引き起こされます。ニコチンは血管を細くする作用があり、皮膚の血行が悪くなり、皮膚温が低下します。
妊娠中の両親の喫煙
妊娠中の母親のタバコは、胎児に様々な影響を及ぼします。流産や早産の頻度が増える、出生体重が小さくなる、脳への影響などが言われています。父親の喫煙による受動喫煙でも、胎児に同様の影響があると言われています。
授乳中の母親の喫煙
授乳期間中の母親が喫煙すると、血液中の母乳分泌ホルモンが減り、母乳のでる期間が短くなります。ニコチンは母乳中にも含まれます。1日20本以上吸う母親の母乳を飲んでいた乳児が慢性ニコチン中毒となり、不眠、嘔吐、下痢などの症状が現れたという報告があります。赤ちゃんもニコチンの味のするおっぱいを飲みたくないと思います。
両親の喫煙と子どもの呼吸器疾患
親の喫煙による副流煙の影響で、子どもの肺活量などの呼吸機能が侵されます。両親が喫煙する場合には、両親ともに喫煙をしない場合に比べて、子どもは約2.2倍の頻度で気管支炎や肺炎を起こします。かぜをひきやすく、かぜが治りにくい、中耳炎などの影響がみられます。
誤飲・誤食
こどもが間違って食べ物以外の物を食べることを誤飲・誤食といいます。その最も多いものはタバコです。タバコの誤食事故は午後6~11時の時間帯が多く、これは母親が忙しい時間で、父親が帰宅してタバコを吸う時間だからと考えられています。子どものいる家では、タバコ、灰皿、ライターは子どもの手の届く場所には置いてはいけません。子どもが間違って飲むと急性中毒になるので、灰皿に水を入れたり、ジュースの缶を灰皿代わりにしてはいけません。
その他
歩きながらのタバコは、子どもの顔にやけどを負わせる危険があります。両親がタバコを吸っていると、子どもは大きくなればタバコを吸うのが当然のことと思うようになります。
子どもにとって、タバコは迷惑なだけです。禁煙する、または自分の子どもも含めて、子どものいる場所ではタバコを吸わないのは大人の義務です。